「トリオ・アコード」
白井 圭 Shirai Kei(ヴァイオリン)
門脇 大樹 Kadowaki Hiroki(チェロ)
津田 裕也 Tsuda Yuya(ピアノ)
西洋の管弦楽は16世紀~21世紀まで、なぜか“クラシック”と呼ばれる。もはや音楽のジャンル用語でしかないと思う。
きょうは芸大の卒業生3人による若手のピアノ三重奏「トリオ・アコード」の演奏を聴いてきた。
18世紀ハイドン(1732-1809)の39番ト長調、19世紀のブラームス(1833-1897)の第1番ロ長調、20世紀前半のラヴェル(1875-1937)のイ短調と時代の異なる3つのピアノ三重奏曲。ブラームスは名曲にして難曲だというのがあらためてわかった。特に、曲、演奏ともラヴェルがよかった。
さて、本来の「古典」という意味で、長唄の“クラシック”をみてみると、「松の緑」(杵屋六翁作曲)が1830年代(天保年間)、「秋色種」(杵屋六左衛門作曲)が1845年(弘化2年)の作曲である。ちょうど19世紀中盤、ハイドンとブラームスの間なのである。そう考えると、数は少ないが、今なお残って頻繁に弾かれている曲は、名曲中の名曲ということになろう。