三味線(三絃)の楽譜には、現在おもに3種類のものがあります。
(1)文化譜(長唄・小唄・端唄・民謡など) 横書き
(2)研精会譜(長唄) 縦書き
(3)地唄譜(地唄・三曲) 縦書き
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文化譜は、三本の糸にわけて(三線譜)、それぞれの糸について、0(開放絃)から20までの勘所(かんどころ)が書いてあるものです。0と10が1オクターブとなります。3と4の間に#、9と10の間に♭を加え十二律とします。
(文化譜:端唄「秋の夜」より)
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研精会譜は、1~7(ピアノの白鍵に相当)とその間に#や♭(同じく黒鍵)で十二律音階を表します。一般的に、一の糸の開放絃を「・7」で示し、糸の別に関係なく順番に音を並べたものです。本調子の開放絃は、一の糸から順に「・7」「3」「7」となります。研精会譜は調子が変わると、勘所の数字が移動します。
オクターブの違いは数字の左右に「・」をつけて表します。「・7」など左・は1オクターブ下、「7・」など右・は1オクターブ上となります。「3・・」は2オクターブ上です。
(研精会譜:長唄「吾妻八景」より)
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地唄の譜は、縦書きで、一の糸、二の糸、三の糸の音をそれぞれ、違う数字(記号)表記で表します。一の糸は、漢数字の左横に「イ」をつけます。二の糸は漢数字のみ、三の糸はローマ数字です。数字は開放絃を1(イ一または一)として、1~10と#4・#8を含めた数字で十二律を表します。1オクターブ上の音は、研精会譜と同じように数字の右側に「・」をつけます。
(地唄譜:宮城道雄小曲集「いはまとぢし」(岩間閉ぢし)より)