和楽器ことはじめ


スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』~市川笑也(2)

 スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』では、ほとんどの役者さんが二役を演じています。場面によって役が変わるのがおもしろみでもあります。

 この市川笑也も例外ではなく、第三幕では、尾張国造(おわりのくにのみやつこ)の娘・みやず姫を演じていたかと思うと、ヤマトタケルの死後、子供のワカタケルを連れて、兄橘姫(えたちばなひめ;通称 えひめ)として登場します。

 おもしろいのは、このみやず姫も、尾張国造が政略結婚を望んだがために、ヤマトタケルの“3番目”の妻にさせられてしまうところです。
 1番目は、同じく市川笑也演ずる「兄橘姫」。
 2番目は、伊勢に送られた叔母・倭姫(やまとひめ;市川門ノ助)に仕えていた「弟橘姫」(おとたちばなひめ;通称 おとひめ)で、弟姫(市川春猿)とヤマトタケル(段治郎)とはいちばん愛し合った仲として描かれていますが、駿河の国の走水で、海の神の怒りを鎮めるため、自ら海に飛び込んで犠牲となります。
 そして3番目がこのみやず姫で、ヤマトタケルは、またまた、都へ帰る途中に伊吹山の鬼神を倒してこいとの父の命を受け旅立つのですが、熊襲・蝦夷とふたつの大国を平定した自信と慢心からか、叔母・倭姫より授かった伊勢の神宝「天叢雲剣」(あめのむらくものつるぎ=草薙剣)をみやず姫に預けていってしまうのです。そして、この慢心が徒となって、ヤマトタケルの運命を変えてしまいます。

 さて、市川笑也としては、同じ芝居の中で役柄の違うふたりの女性を演じながら、そのいずれもが、自らの意志ではないとはいえヤマトタケルと結婚するという複雑な役回りです。
 兄姫は、静かに愛情を心の内に秘めてはいるが、いざとなると感情を大きく表現する古風な大和撫子タイプなのに対し、みやず姫の場合は、自由奔放で、物言いも大っぴらな天真さがあります。現代の女性像に近いはきはきと明るいタイプです。

 もちろん私がこのように感じて解釈できたと言うことが、笑也の役の表現が的確だったと言うことにつながるのでしょう。
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by wagakkiya | 2005-05-22 23:57 | 歌舞伎(9)

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