和楽器ことはじめ


フル・オーケストラvs多目的ホール

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           (演奏中の撮影ではありません)

 地元ではまれなフル・オーケストラによるコンサートが開かれた。2000人収容のホールが満席! 周辺人口30~40万の地方都市でクラシックのコンサートに2000人という数字は驚き! 150人に1人来ている計算になる。これはビックリです! そんなにクラシックファンがいたのか!と驚くばかりです。興行的には成功を収めたといえるでしょう。

 しかしホールはふだんコンベンションセンターとして講演やメッセなどに使っている、三流以下の「多目的ホール」・・・なんでこんな使えないホールばかり3つも4つもつくるのかなぁ、自治体は。舞台迫り(せり)や回り舞台も当然なく、音響だって漏れ漏れ状態。
 芝居なら芝居、音楽なら音楽と住み分けをして、ウチの町は、○○で町おこししますよ、世界に名だたるホールとして発信しますよ!という意図のある専用ホールをつくらないかなぁ?
 そりゃ稼働率は低くなるかもしれないが、もっと特化したものがないと、文化的な発信や町おこしにはつながらない。ホールが三流以下なら演奏も決して感動的とは言えず、意気消沈して帰って来ました。

 良くないホールは目の前にガラス板でもあるかのように音が返っていきます。目ではそんなに遠くないところで演奏しているのだけれど、まるで鼓膜を振るわさない音ばかり。
 ぽっかりと大きく空いたバックステージ(もちろん見えないけど)に、形だけの音響反射板。
 音響反射板は、ただ画一的にギザギザにすればいいのではありません。音は複雑に反射し減衰していき、そのなかから残響が生まれてくるわけですから、できるだけ多くの席で直接音はもちろん、残響のよさ、音の明瞭さを確保するためには、精緻な音響測定が欠かせません。

 そもそも多目的ホールには緞帳(どんちょう)があるので、舞台前方の両サイドが幅1mくらい空いています。せっかく客席に届けようとしている音楽が、ここで舞台袖に流れてしまうわけです。それが残念でなりません。つまり舞台袖でも「生音」が楽しめるホールは音楽専用とはいえません。
 さらに巨大なホールになればなるほど、中央の席は側壁からの反射が少ない分、音響的にはよくありません。サントリーホールなどは、天井にこれでもかと音響反射板が吊り下げられています。あれは照明も兼ねていますが、本当の目的は上から反射音を伝えることです。しかし苦肉の策ですね。


 いちおう、大学では建築音響を専攻し、いろんなホールでコンサートを聴いてきたので、ホールの良し悪しはそれなりにわかっているつもりです。

  ※「和楽器ことはじめ」のコンサート感想や音響・CDのカテゴリでは、
   あらゆる音楽ジャンルを扱っていきます。 そのあたりから邦楽や
   伝統芸能に共通するものが見えてくるかもしれません。
   いや、ただ本人が好きで書いているという話もありますが・・・(笑)
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by wagakkiya | 2005-05-25 23:00 | 舞台・音響(1)

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