和楽器ことはじめ


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張替の手順





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 皮張りを大まかに説明すると、まず湿した皮に木栓(きせん)をかまして、その木栓に楔(くさび)を打ち込み外れないように固定します。次に張り台(写真)に胴を載せ、経口に餅糊を塗り、皮を被せます。

 木栓に張り緒(はりお;輪になった紐)をかけ、フックにかけ、ひとつずつボルトを回して皮を張っていきます。
(これは写真のようにボルトで締めていく新しい張り台の手法です。従来は、20mもある長い紐を周囲全体に回すようにかけていき、木製の張り台の二枚の板の間に長い楔を打ち込んで皮を張っていました。)

 皮は厚さによって伸び具合が異なるため、ある程度引っ張ったら、音と弾力を確認しつつ引っ張っては止め、いい音に上がるまで調整していきます。

 音も出て、ここでやめるとなると、糊を乾かすために一気に乾燥させます。コンロやストーブであぶるのが一般的ですが、これは上からドライヤーを当てるタイプです。糊の付いた経口だけを乾かせばよいので、中央の空洞部分に熱風が直接かからないよう当て蓋という木の蓋を載せます。乾燥は15~18分程度です。

 この近代的でよく考えられた張り台を作って譲ってくださった金沢さんには、感謝しきりです。
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by wagakkiya | 2005-04-20 17:06 | 職人仕事(13)


お稽古~五郎時致


今日は午前午後と演奏会の手伝いで、ギリギリに終わり、車を飛ばして松江の稽古場へ。
疲れていたけど、ここ半月、二日に一度は2時間程度ちゃんと稽古してきたので、このペースを崩したくなかった。

それで是が非でも、先生にみていただこうと出かけた訳。いやぁ、充実してるなぁ。

箏葉会の箏曲演奏会も後半は定時に終わらせようと必死になった。だからあいさつなどで10分近く押して始まった前半の遅れを取り返す形になり、会の裏方(舞台方)としてもよかった。これも相乗効果である(笑)

さて、お稽古はといえば、○(続く)
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by wagakkiya | 2005-04-17 23:54 | 三味線お稽古(31)


本調子

三味線の三本の糸の調子を取ることを「調絃」といいます。
箏(こと)でもそうですが、「弦」ではなく「絃」の文字を使うことが多いようです。私も「絃」のほうが、糸をあらわしていて好きです。

本調子(ほんちょうし;ほんじょうし)というのは、三味線のもっとも一般的な調子です。たとえば、低音から一の糸、二の糸、三の糸の開放絃をC/F/C(三の糸のCは1オクターブ高く取る)に取ります。

長唄や民謡では、唄い手の声の調子に合わせるので、曲の指定がないかぎり、基準音をどれにとっても構いません。

また、下記の対応のように、基準音をCで取ることを、「四本(よんほん)で取る」と言います。調子笛の表示と同じです。
長唄では二本・三本・四本が一般的なようです。
----------------------------------------
         本調子
一本 A     A/D/A
二本 A#(B♭)
三本 B     B/E/B
四本 C     C/F/C
五本 C#(D♭)
六本 D     D/G/D
七本 D#(E♭)
八本 E     E/A/E
九本 F
十本 F#(G♭)
十一本G     G/C/G
十二本G#(A♭)
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by wagakkiya | 2005-04-13 07:01 | 三味線お稽古(31)


「時致」~郭通いは武士の勤めか~


長唄では大抵、郭通いがつきものだ(笑)

大物になればなるほど、女を買い、身持ちを崩すほど遊ぶものらしい。
曽我五郎時致も、仇討ちと心に秘めながら、機会を窺い、その時を待つまでは遊郭へ通う。
これは、赤穂義士の大石内蔵助(くらのすけ)も然りである。
また、それが美談のひとつになるのだから、おかしなものである。

この五郎時致(ときむね)の歌詞も、

「さるほどに 曽我五郎時致は
 倶不退転の 父の仇 討たんずものと
 たゆみなき 弥武心も 春雨に 濡れて
 郭の化粧坂(けわいざか)
 名うてと 聞きし 少将の (♪合方♪)
 雨の降る夜も 雪の日も 通い通いて 大磯や・・・・・・」

と、仇討ちの決意とは裏腹に、“勇んで”郭通いである。
「弥武心」も「春雨に濡れ」ると、郭へと足が向くらしい。
困ったものだ。

しかし、必ずしもそうとも言い切れないのは、この歌詞が掛詞(かけことば)によって綴られているということである。

◆「弥武心が張る」と「春雨」の【はる】
◆「濡れて来る」と「郭」の【くる】
◆「通いて多い」と「大磯」の【おおい】

掛詞が多用されるのは、長唄の特徴であり、江戸の粋なのである。
したがって、時には無理矢理なものも出てくるが、それによって夢のような場面展開も可能なのである。
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by wagakkiya | 2005-04-11 04:13 | 三味線お稽古(31)


日本の楽器(2)~三味線~(コロムビア)





三味線入門CDの決定版!

三味線の合方(アイカタ:唄の付かない部分)をいいとこ取りした名盤です。

だんまり、大薩摩の江戸歌舞伎音楽から、秋色種(虫の合方)や勧進帳(寄せの合方・瀧流し)などの長唄の合方、義太夫、新内流し、地歌、津軽じょんがらなど、各界の大御所による名演奏・名曲が揃っています。

録音もよく、三味線演奏の聴き所たっぷりです。
最後の2曲はオーケストラが入って、エコーたっぷり、録音レベルも変わり、やや興ざめですが、これを除けば、入門者からプロまで納得のいく一枚でしょう。


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にリンクします。

日本の楽器(2)~三味線~
日本の楽器 芳村伊十七 岡安喜久次郎 松永忠五郎 岡安喜久三郎 望月太八 堅田喜三久社中 杵屋五三郎(二世) 杵屋五三寿郎 杉浦弘和 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★★

長唄から大薩摩、新内、地歌、義太夫、津軽など日本の三味線の名曲を抜粋。入門CDとしては最高級。録音もシャープでいい。

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by wagakkiya | 2005-04-09 18:58 | CDレビュー(7)


バチ皮(その2)




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三味線に貼るバチ皮の話のつづき・・・。

見づらいけど、画面の下のほう(胴の際、糸の下)に貼ってあるかまぼこ型のものがバチ皮です。。
この三味線は長唄の稽古用なので、シールのバチ皮を貼っています(透明なので余計に見づらいですね)。
この裏面がシールになってるバチ皮はひじょうにいいです。
貼るのも剥がすのもカンタン!

本物のバチ皮と違って、糊は使わなくていいし、乾かさなくてもいい。実は、バチ皮を貼る時に大敵なのが糊の水気なんです。

三味線の皮に湿気は禁物! 皮が湿気を吸ってズレるおそれがあるからです。皮自体もですが、胴の四周(=経口:キョウグチ)に糊付けしてあるため、糊が湿気を吸って緩むこともあります。特に梅雨時の三味線の扱いには注意しなくてはいけません。

つまり、せっかく乾かした皮にわざわざ湿気をあたえることは理にかなっていません。天然のバチ皮を糊付けした場合は、ただちに1時間ほど扇風機に当てておきます。
また、早く乾かそうと思ってドライヤーや暖房を使ってはいけません。今度は反対に、皮が乾燥しすぎて、張力が持たず、バリッと裂けて破れることになります。

皮は湿気や高温に弱いデリケートなものなのです。
だからシールのバチ皮は重宝がられるのです。
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by wagakkiya | 2005-04-08 02:13 | 楽器&道具事典(11)


ギンカワ~三味線の皮



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これが皮の張替を仕上げた状態の三味線の胴。

音が上がる瞬間は、皮の表面に微妙な光沢やツヤが出てくる気がする。

このツルツルした皮の面をギンカワ(銀皮)という。語源は「銀世界」と同じであろう。
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by wagakkiya | 2005-04-07 02:44 | 職人仕事(13)


カン張り~三味線の皮




きのうは、民謡の厚めの皮の張替。
最高によく張れたので、気持ちがいい。

厚い皮は特に神経を使う。引っ張り加減が重く難しいからだ。
いい三味線ほど、お客さんの要求も高いので、いわゆる「カン張り」をしないといけない。

「カン張り」とは、皮の表面を指ではじいた時に、カンカンという乾いた高音がするからなのだが、実際は厚い皮になればなるほど、コツコツという音に近くなる。

この音を見極め(聴き極め)ながら、皮をどこまで引っ張るか
調整をしていく。
ある程度、いい音が出てからが勝負所で、ここは他の一切の音を排除し、指ではじいた音と、皮の弾力の感触など耳、手、目など五感の勝負となる。

耳の鼓膜に跳ね返る音を聴きながら、慎重に微調整をしていく。
これは、まさに「勘(カン)」によるもので、自分の耳によい基準を刻み込んでおかなければならない。

しかも、皮は天然の犬皮(ケンカワ)なので、一枚一枚異なる。
傷もあるので、裂けやすい傷は補修しなくてはならず、余計神経を使う。特に厚いけケン皮には、ひっかき傷や傷の治った痕(縫い傷)が多く、さらなる慎重さが要求される。

だから、それらをすべてクリアして、いい音で張れた時は、何物にも替えがたい喜びと充実感があり、だからこそやりがいもあるのである。
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by wagakkiya | 2005-04-06 04:28 | 職人仕事(13)


こんどは「時致」




「時致」と書いて「ときむね」と読む。
曽我五郎時致が十八年の歳月を経て父の仇を討つという筋である。

勇ましい。男らしい。「勇猛血気」盛んである。
「松の緑」「末広がり」と、いままでの二つが特に女性的という訳ではないが、比較するとやはり違う。

安来節で言う二枚バチ、三枚バチが入る。
五郎時致の決意表明にも聞こえる。

また、飛びタタキという一と三の開放絃を弾く奏法もあり、
これまた勇壮である。

で、曲も長い。12分である。
最初は浪曲みたいに延々と長くつかみ所のない曲に感じられたが、いまは調子の上げ下げがわかるまでになった。

クドキも品よく、オトシも軽快であり、合方もおもしろい。
聴けば聴くほど味が出るするめのような曲だ。
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by wagakkiya | 2005-04-04 21:54 | 三味線お稽古(31)

    

和楽器屋の職人仕事と邦楽・伝統芸能の魅力をわかりやすく熱く語ります!
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