和楽器ことはじめ


色種~虫の合方聴き比べ


 いま、いろんなCDで「秋色種」、とくに「虫の合方」を聴き比べている。静かな部屋で耳を澄まして聴くと、サワリや余韻をはじめ、棹を引き擦る音や打つ音、それに合間のかけ声などがあって実に興味深い。
 それぞれに聴かせどころがあり。どれがいいか甲乙付けがたいところだが、いまのところおすすめは下記のCD。

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長唄全集(十三)五郎時致/蓬莢
芳村伊十郎(七代目) 長唄全集(13)五郎時致・蓬莱・秋色種/ コロムビア
(唄)芳村伊十郎 松島庄三郎
(三味線)山田抄太郎 上調子(推定):杵屋五三助
(笛)住田又兵衛
(小鼓)望月吉三郎 望月長左久
(大皷)望月左吉
(太鼓)堅田喜三久
(鳴物)望月太意之助 望月吉三久 望月吉二郎
(狂言方)竹柴宗輔
スコア選択: ★★★★★

上調子が寸分の乱れなくついてくるところは、全盛期の五三助か。主張しすぎず、それでいて、かけひきも素晴らしい。
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長唄
今藤長之 杵屋禄三 杵屋勝国 芳村伊十七 米川敏子 中川善雄 今藤尚之 竪田喜三久 望月長樹 望月太喜雄 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★

 新しい録音でややエコーが効きすぎだが、今藤長之の艶っぽい声に合わせ三味線も華やか。松の緑、秋の色種、岸の柳、吾妻八景の4曲を収録。三味線は4曲とも芳村伊十七、杵屋勝国のコンビ。

 特に「岸の柳」は独特で、ゆったり聴かせていて、後半、三下りから鼓がテンポを作り、力の入っためくるめく展開を見せる。

 「色種」の琴の手事の合方では、米川敏子の琴が入り、まさに「みだれ」の雰囲気。

 「八景」の砧の合方は「テツン」の入り方からお見事!でおすすめ。

日本コロムビア COCF-9791〔1992年録音〕

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長唄三味線
杵屋五三郎 杉浦弘和 杵屋五三寿郎 萩岡松韻 福原百之助 堅田喜三久 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★

合方集として編曲された逸品なのですが、「秋色種」の虫の合方が入っていないのが残念。

なぜ、虫の合方が飛ばされているのかは本当に信じられないが、まったく不明。前弾から、二上りに飛び、琴の合方へと編曲されている。
解説には「虫の合方」とあるのに、オカシイ!

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コロムビア邦楽 長唄
芳村伊十郎 宮田哲男 杵屋五三郎 山田抄太郎 福原百之助 今藤長之 望月太意之助 望月吉三久 望月吉三郎 杵屋弥三郎 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★★

他の盤と録音は重なるが、申し分ない録音。

 松の緑、都鳥、蓬莱、秋色種の4曲。三味線(松の緑、色種)は、山田抄太郎と杵屋五三助のゴールデンコンビ。全曲にわたって聴かせどころたっぷりの一枚。

(注)芳村伊十郎長唄全集(13)と同じ録音。

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i-podからMDにダビングしてもらったので、音源は不明だが、
「秋の色種」
(唄)宮田哲男 (三味線)杵屋五三郎(もうひとり上調子は不明)もいい。
スコア選択: ★★★★★

 これは小さな部屋で、サシで録音しているっぽい。
五三郎氏の掛け声が控え目に入っているし、いかにも力が抜けて、軽やかにしっとりと弾いておられるので、うらやましい。
 ・・・・・・今はこの弾き方をマネしているところ。
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# by wagakkiya | 2005-05-05 23:27 | CDレビュー(7)


長唄唄方~芳村伊十郎と東音宮田哲男

 ただいま問題が発生。問題が発生というと、少々大げさだが、事実なので・・・・・・。
言ってみれば、文明の利器による弊害(また大げさだな・・・)。

 伊十郎と組む三味線方は演奏がいいと思い、コロムビアから出ている「七代目 芳村伊十郎長唄全集」を買い続けている。それぞれに名演だし、伊十郎の声は張りとツヤがあってきれいだ。独特な唄い方で当時の長唄界に新風を吹き込んだ名調子。「伊十郎節」と言われるだけのことはある。また、こういう名演がきれいな録音のまま残っていて、手近に聴けるというのも実にありがたい。


 話は変わって、きょう、五司郎先生にダビングしていただいた、東音 宮田哲男(唄)と杵屋五三郎の「秋色種」をじっくり聴いていた。

 ところが、唄が全然違うじゃない! で、よくよく譜面を見ると、宮田さんのほうが忠実なのである。つまり、こちらのほうが音程が合っている訳だ。しかし、どうも違和感を感じてしまう。最初に聴いた曲の印象というのは、なかなか拭えないもので、それが名演であればあるほど、それを基準にしてしまう。
 最近は、車の運転をしながらでも、長唄のCDを聴いている。いや聴いているというよりは、つい唄っている(窓は閉めてるけどね)。三味線を聴くつもりが、ついつい合わせて唄ってしまっているのだ。そして伊十郎とハモって悦に入っている自分がいる(笑)

 危ない危ない。このままでは、伊十郎の唄い方をマスターしかねない勢いだ(恐れ多いか、それは・・・・・・)。
 で、基本的な唄い方に戻そうと、今度は宮田さんの口まねをしようとしている。これがまた難しい。そこはそんなに高音を出すのとか、三味線との「間」など、大きく違う箇所がたくさんある。結局は先生に教わり、節回しなど矯正されることになるのだが、車の中ではついついお気に入りのCDをかけるものだから、その積み重ねって、稽古より回数が多い訳で、そう考えると、ちょっとおそろしい・・・・・・。
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# by wagakkiya | 2005-05-04 02:24 | 古典芸能音楽(2)


三味線~駒の糸道(その2)

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これが糸道です。
分かりづらいかもしれませんが、舎利駒の上に三つ窪みがあります。
駒の裏にはマジックで「3.2」と三分二厘の高さを書いています。二厘の違いはなんとか判りますが、一厘はわずかなものです。
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# by wagakkiya | 2005-05-03 01:27 | 職人仕事(13)


コロムビア邦楽名曲セレクション20◆琵琶


 「コロムビア邦楽名曲セレクション20」というのは、邦楽の各ジャンルを20にまとめたシリーズもの。雅楽、謡曲をはじめ、長唄、義太夫、清元、常磐津、新内、歌舞伎、端唄、小唄、地歌箏曲(生田流)、箏曲(山田流)、尺八、琵琶、吟詠、小鼓・邦楽囃子、大和楽、声明、古曲、沖縄までで全20レーベルである。
 以前は、長唄でも、伊十郎や長十郎、長之など唄い手それぞれのCDがあったが、いまはアマゾンでは在庫切れになっている。コロムビアがシリーズものとして統一してしまったのだろうか。

コロムビア 邦楽 名曲セレクション20 琵琶
琵琶 館山甲午 吉村岳城 永田錦心 鶴田錦史 山下晴楓 山崎旭萃 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★(1点加えました)

薩摩・筑前・平家など各流派の琵琶の弾き語り集。演奏そのものよりも語りの伴奏の感が強いが、古いモノラル録音で大御所が出ておられるので聴きごたえあり。

 今回は、「琵琶」について。

 稚拙ながら、琵琶というと、映画「陰陽師2」のBGMで流れていた音色が印象的だった。琵琶弾きの少年・須佐(市原隼人)も登場する。さすが平安時代の設定である。安倍晴明役の野村萬斎、出雲の王で陰陽師の幻角役の中井貴一とハマリ役の多い映画だった。出雲と朝廷の戦いも背景にあって見応えがあった。

 また、最近テレビで、上原まりの琵琶演奏も聴いた。NHKの愛宕山邦楽祭だったが、琵琶の音色に酔いしれ、印象に残った。三味線よりも悲哀に満ち、余韻も長い。まるで糸から空気の流れを感じるようである。

(曲目リスト)
1.祇園精舎 平家琵琶 館山甲午
2.川中島   薩摩琵琶 吉村岳城
3.石童丸   錦心琵琶 永田錦心
4.須磨の浦 薩摩琵琶 鶴田錦史(鶴田流)
5.実盛    薩摩琵琶 山下晴楓
6.茨木    筑前琵琶 山崎旭萃
7.那須与一 薩摩琵琶 中川鶴女(鶴田流)

 2曲目、3曲目はSP(蓄音器のレコード:Standard Playの略)からの復刻録音である。2曲目は伴奏と独奏部とあり、おもしろい。また3曲目の永田錦心「石童丸」は、琵琶奏者の塩高和之さんから、人づてに聞いていた、おすすめのSP録音だそうで、閑かだが味がある演奏だった。

 4曲目「須磨の浦」がいちばん聴きやすい。「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」で始まるフレーズ。私のイメージする琵琶の弾き語りで、独奏部(三味線で言う合方)も多く、そのなかに早弾きもあり、朗詠部分も高らかに唄い上げている。1曲21分と長めだが、それを感じさせない世界がある。音色も「陰陽師2」に近い(笑)
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# by wagakkiya | 2005-05-02 23:57 | CDレビュー(7)


三味線~駒の糸道


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 駒の糸道(いとみち)の付け方は、太い一の糸をやや深く、細い三の糸をやや浅く丸ヤスリで削ります。

 ただし、そのままでは、糸をかけたとき駒切れ(お肉ではありません)になる恐れがあるので、駒をしっかり押さえておき(一人の場合はクランプか強力クリップで固定する)、駒の両側に使い古しの絹糸(二の糸が適当)を張り、指に巻き付けしっかり握って前後にこすります。
 こうすることで、ヤスリで削ったアラがなくなり、駒切れもなくなります。

 また、どちらが一の糸かわかりやすくするために、駒の裏側のどちらか一方に印を付けておくと、駒を外したときなど便利です。
 私はマジックペンで一の糸のほうに黒丸か駒の高さを書き記しますが、マジックだと透けて見えて、格好悪いという方は、鉛筆でも構いません。

 ちなみに、いま私は3分2厘の高さの舎利駒(しゃりごま;舎利は骨の隠語で、鯨骨か牛の角の意)を使っていますが、ウチの先生は3分5厘だそうです。民謡だと2分8厘や3分が多いようです。

駒の種類や高さなどの話は、またあらためて・・・。
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# by wagakkiya | 2005-05-01 22:52 | 職人仕事(13)


「日々是知進」


      五
     矢口隹
      疋

 お茶碗や庭石にこんな文字が書かれているのを見たことはありませんか?

 中央の「口」(くち)を合わせて時計回りに、「吾唯足るを知る」(われただたるをしる)と読みます。禅の哲学ですね。
 余計なものは不要。無欲で生きなさいという教えですね。


 私はとても欲の多い人間です(笑) 言い方を変えれば、欲もありますし、向上心もあります。もっと弾けるようになろうとか、先生に誉められようという欲もあります。もちろん誰も叱られることを目標にはしませんよね。
 特にお稽古ごとは目標がないと続きません。それを何に置くかは自由ですが、やるからにはやはり中途半端ではやりがいがありません。私は三味線を始めて、ようやく「やりがい」「生き甲斐」というものを見つけたような気がします。やはり、おもしろいことは続きますね。

 もちろん今からプロになろうとは考えませんが、「プロになるくらいの気持ちでやらないとダメ!」と先生に言われたことがあります。それは、お稽古を始めて3ヶ月くらいの、まったく進歩のない日々でした。やっていないのでお稽古に行くのがイヤでイヤで、ノイローゼにさえなりました。また、腕の上がらない自分に嫌気がさしていました。当然、稽古は片手間になり、一夜漬けになります。そして叱られたのです。
 もろもろのことが重なり、無理にお願いをして半年ほどお稽古を休みました。今年になってようやく弾きたいという気持ちになり、復帰させていただきました。でちゃんと弾きだすと、腕も上がるのでおもしろくなって真面目に稽古するようになりました。ひと月ごとに曲が進むようになり、相乗効果でますます稽古に身が入ります。

 で、「色種」です。果てしなく難しいけど、超おもしろいです!
弾くたびに、わずかながら進歩しています。この前弾けなかったところが、きょうは弾けたりして、うれしくなってしまいます。
 また全然モノにならないところは、イライラしますが、もうちょっとがんばれば、弾けるとの思いから、なにくそ!と負けん気になります。

 「吾唯足るを知る」というわけにはいきませんが、「日々是進むを知る」の心境です。長文失礼致しました。
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# by wagakkiya | 2005-04-30 03:29 | 三味線お稽古(31)


歌舞伎~女形


 この前、NHKの芸術劇場で勘三郎襲名・三月興行大歌舞伎の“バカ殿”「一條大蔵譚」(いちじょうおおくらものがたり)をやっていた。
 襲名披露でこんなおマヌケな芝居をやっていていいのかと不安になってしまったが、おもしろかった。志村けんの「バカ殿」の原点はこんなところにあったのかと深く頷いたものだ。
 自由気ままでキテレツな行動を取る殿(=一條大蔵)の周りを二、三十人の腰元たちが付き添っていたが、あれがみんな男だと思うと、やや鳥肌が立った。

 そんななか「お京」役で、ひときわ目立つ女形が出ていた。途中から見出したので役者の名前も分からず、ただ家族で「うまいねえ」と言いながら見ていた。正体は、坂東玉三郎だった。
 私としては、女形は(市川)笑也が好きだが、それを上回る所作で、きれいだった。さすが、玉三郎、役者が違う。
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# by wagakkiya | 2005-04-29 23:58 | 歌舞伎(9)


リンクさせていただきました



どこに書いてよいやら、はたと困ってしまったので、お知らせ方々、記事にしちゃいました(笑)

女将さえこの今宵の酒肴
 ~おいしくて健康に良さそうな手料理の酒肴と、
  長唄・日本舞踊などお稽古に励んでおられる、
  さえこさんのブログです。ちょうど私と同じ
  時期に初舞台を迎えられました。


寿美栄のにつ記
 ~小唄や端唄をはじめ長唄、義太夫と幅広い
  三味線のお話に加え、落語や着物、和菓子など
  江戸情緒たっぷりの、くりさんのブログ。
  特に小唄の歌詞は粋で、タメになります。


顔顔のひとこと多いひとこと
 ~私が別人格となって(?)世間に向かって
  “がおがお~”と遠吠えする、なんでもありの
  つぶやき日記です。三味線や邦楽などは皆無です。

どうぞ、これからも、ごひいきに。
よろしくお願い申し上げ奉りまする。
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# by wagakkiya | 2005-04-28 03:40 | 心の琴線(4)


色種~虫の合方


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虫の合方、初稽古です!
いや自分でさらってみただけなんですが、ありゃもう曲芸ですよ。ゆっくりですら弾けない。写真は「虫」の譜面ですが、これだけで弾いて、いや退いてしまいます。悲しいかな現実です……。
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# by wagakkiya | 2005-04-27 03:20 | 三味線お稽古(31)


三味線の調子~三下り~

 今度は「三下り」(さんさがり)の話です。

 三下りは、「明の鐘」(あけのかね)や「越後獅子」など江戸情緒の雰囲気のあるしっとりとした曲や場面に多い調子です。
 三下りですから、本調子から三の糸を一音下げます。たとえば、四本で本調子に取っているなら、C/F/C・のC・をA#・に下げます。
 (「・」は便宜上、1オクターブ高いことを表します。)
 ピアノの白鍵・黒鍵の並びを見ればおわかりのようにB(シ)とC(ド)は半音なので、ハ長調だと「ド」を「ラ#」(=シの♭)に下げるということです。

         本調子  二上り  三下り  
一本 A     A/D/A  A/E/A   A/D/G
二本 A#(B♭)
三本 B     B/E/B  B/F#/B  B/E/A
四本 C     C/F/C  C/G/C  C/F/A#
五本 C#(D♭)
六本 D     D/G/D  D/A/D  D/G/C
七本 D#(E♭)
八本 E     E/A/E  E/B/E   E/A/D
九本 F
十本 F#(G♭)
十一本G     G/C/G  G/D/G  G/C/F
十二本G#(A♭)

 長唄の名曲「秋色種」(あきのいろくさ)では、曲の後半で、二上りから三下りに転調します。本調子から三下りにするのは、三の糸を一音下げることで済むので、一本の糸巻きを変えるだけでいいのですが、二上りから三下りにするには、二の糸を戻して、三の糸を下げなければなりません。これは二本の糸巻きを回さなければならず、手間です。

 そこで、一の糸を一音上げることで、相対的に三下りにします。これなら、糸巻き一本を変えるだけで済みます。よく考えられたものです。
 つまり四本で本調子(C/F/C)に取っているのなら、二上りでC/G/Cとなっているわけですから、三下りとするためには、一の糸を一音上げて、D/G/Cとします。これだと六本の三下りとなりますね。(上の表を見てください。)


 三味線の楽譜(譜面)については、音符に別の表記がしてありますよね。これについては、またお話しします。
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# by wagakkiya | 2005-04-26 20:35 | 三味線お稽古(31)


歌舞伎座の建て替えを検討

 東京・銀座の歌舞伎座が老朽化のため建て替えを検討とのこと。
勘九郎改め 勘三郎襲名で湧いている歌舞伎界だが、こういう現実もある。
 箱の大きさは、これ以上大きくなると、ますますオペラグラスが手放せないし、声や音が聞き取りにくくなるので、なんとか今の奥行き程度にしていただきたいものだ。
 役者の声や、簾内(みすうち)をはじめ三味線や鳴物の音がどれだけ臨場感を伴って、(とりわけ3階席の)観客に伝わるかという音響的な問題もひとつあるだろう。

 今の建築も鉄筋コンクリート造で、木造の芝居小屋とは異なるが、それでも雰囲気と造形美はいいのだから、踏襲してほしいものだ。やはり伝統は受け継いでいくべきものであるから。

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建て替えが検討されている歌舞伎座
老朽化が進み、建て替えが検討されている「歌舞伎座」。歌舞伎座は、国内歌舞伎興行の中心施設。現在の建物は1950年末に完成。国の有形文化財にも登録されている(21日夜、東京都中央区)(時事通信社)21時33分更新
(ソース)ヤフー写真ニュース(時事通信)
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# by wagakkiya | 2005-04-25 00:46 | 歌舞伎(9)


三味線の調子~二上り~

「二上り」と書いて「にあがり」と読みます。「が」が抜けてますが、いいんです。三味線では、こう表記するんです。
ちなみに「三下り」も「みくだり」ではありません。離縁状とは違うのです。「さんさがり」と読みます。

さて、今回は二上りのお話。ちょうど「五郎時致」の途中から転調(本調子→二上り)します。
なので、説明しやすいですね。
二上りは、明るい調子です。民謡や音頭にはよくある、ぱっと花が咲いたような音階になります。
二上りですから、二の糸を一音上げます。
たとえば、四本で本調子に取っているなら、C/F/CのFをGに上げます。ハ長調だと「ファ」を「ソ」に上げるということです。

        本調子   二上り
一本 A     A/D/A  A/E/A
二本 A#(B♭)
三本 B     B/E/B  B/F#/B
四本 C     C/F/C  C/G/C
五本 C#(D♭)
六本 D     D/G/D  D/A/D
七本 D#(E♭)
八本 E     E/A/E  E/B/E
九本 F
十本 F#(G♭)
十一本G     G/C/G  G/D/G
十二本G#(A♭)

なぜ転調しなくてはならないのか、まだ疑問ですが、
おそらく共鳴と和音(わおん)のためでしょう。
二の糸と三の糸をいっしょに弾いた時に出る共鳴音(協和音)は
とても明るくなります。たとえば、1オクターブ違いの4#と4・#です。また二の糸の開放絃(=4#)も明るくなります。

もっともっと楽理を勉強しなくてはなりませんね。
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# by wagakkiya | 2005-04-24 02:12 | 三味線お稽古(31)


長唄全集(十三)五郎時致/蓬莢/秋色種 芳村伊十郎(七代目) / コロムビア


「名曲セット」と言える、三曲が入っています。

「五郎時致」「蓬莱」「秋色種」です。最強です。

「秋色種」の三味線は、山田抄太郎に、上調子:杵屋五三助(のちの人間国宝・五三郎氏)です。
七代目伊十郎に、このコンビなら間違いがあるはずがありません。
まさに、名演です。

長唄全集(十三)五郎時致/蓬莢
芳村伊十郎(七代目) / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★★

「蓬莱」リズミカルな祝儀曲で好きです。名曲名演の「秋色種」も入っています。
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# by wagakkiya | 2005-04-22 03:16 | CDレビュー(7)


お稽古~秋色種

「五郎」の次の曲は・・・

大曲「秋色種」(あきのいろくさ)です。

なに、この巨大な壁は!

「小鍛冶」(こかじ)や「鞍馬山」ではありません。
「都鳥」でもありません。
私の好きな「蓬莱」でもありません。

長唄史上、最高の名曲と言ってもいい「秋色種」です。

なにゆえ、一足飛びに「色種」(略して「いろくさ」)なのか!
もちろん、次の曲が「色種」だというのは知っていましたが、
いざ、予習を始めると、まったく曲になりません。

最初の「前弾」(まえびき)くらいはなんとかなりますが、
唄に入ってからは何を弾いているのかわからなくなりました。
音が流れていかないのです。
やはり「壁」です。

これは一年かけても損はないというほどの曲です。
そんな悠長なことは許されないだろうけどね(笑)

ちなみに、「色種」の次は「八景」(吾妻八景;あづまはっけい)が控えております。
ひえ~~~~っ! 堪忍して~~~~!
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# by wagakkiya | 2005-04-22 02:48 | 三味線お稽古(31)


お稽古~五郎時致(2)

「五郎」初めてのお稽古の結果は・・・○(まる)でした。

大薩摩の「本手押し重ね」は難しく、何度もつけてもらいましたが、それ以外は、おおよそ弾けました。転調(本調子→二上り)もわりとスムーズでした。

実は、先輩方のおさらい会を観ても、「五郎時致」がひとつのハードルだということがわかりました。
初歩なのに名曲の「松の緑」、ほとんど音源がないが手のおもしろい「末広がり」と比べて、「五郎」は表現も複雑ですし、また最初のうちは長いだけの曲に感じられてとらえ所がありませんでした。(なんせ、仇討ちと郭通いですからね(笑))

だから何度もテープを聴き、難しい手のところは流れるまで何度もお稽古を重ねました。おさらい会から二十日ほどあったので、二日で1ページのペース(全部で11ページ)で進めました。

結果、「よく勉強してるね」と誉められました。

また、「おもしろくなってきたね」と先生の破顔は印象的でした。
この「おもしろくなってきたね」というのは、この調子でつづけてやれば、もっと先へ伸びるよという意味のようです。
おさらい会でも、稽古事は真剣にやらなくてはいけないとおっしゃっておられました。
まじめに稽古すれば、その分成果が生まれ、報われるということです。

いままで一夜漬けで、稽古事はあまり真剣にならなかったのですが、今回は違います(断言)。

車の中でも長唄のCDを聴き、仕事のBGMも長唄。
家や風呂ではついつい口三味線。
頭の中で三味線の音がグルグル走り回っています。
中毒でしょうか(笑)
最近は脳内と口三味線で作曲もしたりしてます。

暇さえあれば、弾きたくなるし、弾かないと手が震えてきます。やっぱり中毒なんだな(爆)
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# by wagakkiya | 2005-04-21 15:50 | 三味線お稽古(31)


張替の手順





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 皮張りを大まかに説明すると、まず湿した皮に木栓(きせん)をかまして、その木栓に楔(くさび)を打ち込み外れないように固定します。次に張り台(写真)に胴を載せ、経口に餅糊を塗り、皮を被せます。

 木栓に張り緒(はりお;輪になった紐)をかけ、フックにかけ、ひとつずつボルトを回して皮を張っていきます。
(これは写真のようにボルトで締めていく新しい張り台の手法です。従来は、20mもある長い紐を周囲全体に回すようにかけていき、木製の張り台の二枚の板の間に長い楔を打ち込んで皮を張っていました。)

 皮は厚さによって伸び具合が異なるため、ある程度引っ張ったら、音と弾力を確認しつつ引っ張っては止め、いい音に上がるまで調整していきます。

 音も出て、ここでやめるとなると、糊を乾かすために一気に乾燥させます。コンロやストーブであぶるのが一般的ですが、これは上からドライヤーを当てるタイプです。糊の付いた経口だけを乾かせばよいので、中央の空洞部分に熱風が直接かからないよう当て蓋という木の蓋を載せます。乾燥は15~18分程度です。

 この近代的でよく考えられた張り台を作って譲ってくださった金沢さんには、感謝しきりです。
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# by wagakkiya | 2005-04-20 17:06 | 職人仕事(13)


お稽古~五郎時致


今日は午前午後と演奏会の手伝いで、ギリギリに終わり、車を飛ばして松江の稽古場へ。
疲れていたけど、ここ半月、二日に一度は2時間程度ちゃんと稽古してきたので、このペースを崩したくなかった。

それで是が非でも、先生にみていただこうと出かけた訳。いやぁ、充実してるなぁ。

箏葉会の箏曲演奏会も後半は定時に終わらせようと必死になった。だからあいさつなどで10分近く押して始まった前半の遅れを取り返す形になり、会の裏方(舞台方)としてもよかった。これも相乗効果である(笑)

さて、お稽古はといえば、○(続く)
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# by wagakkiya | 2005-04-17 23:54 | 三味線お稽古(31)


本調子

三味線の三本の糸の調子を取ることを「調絃」といいます。
箏(こと)でもそうですが、「弦」ではなく「絃」の文字を使うことが多いようです。私も「絃」のほうが、糸をあらわしていて好きです。

本調子(ほんちょうし;ほんじょうし)というのは、三味線のもっとも一般的な調子です。たとえば、低音から一の糸、二の糸、三の糸の開放絃をC/F/C(三の糸のCは1オクターブ高く取る)に取ります。

長唄や民謡では、唄い手の声の調子に合わせるので、曲の指定がないかぎり、基準音をどれにとっても構いません。

また、下記の対応のように、基準音をCで取ることを、「四本(よんほん)で取る」と言います。調子笛の表示と同じです。
長唄では二本・三本・四本が一般的なようです。
----------------------------------------
         本調子
一本 A     A/D/A
二本 A#(B♭)
三本 B     B/E/B
四本 C     C/F/C
五本 C#(D♭)
六本 D     D/G/D
七本 D#(E♭)
八本 E     E/A/E
九本 F
十本 F#(G♭)
十一本G     G/C/G
十二本G#(A♭)
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# by wagakkiya | 2005-04-13 07:01 | 三味線お稽古(31)


「時致」~郭通いは武士の勤めか~


長唄では大抵、郭通いがつきものだ(笑)

大物になればなるほど、女を買い、身持ちを崩すほど遊ぶものらしい。
曽我五郎時致も、仇討ちと心に秘めながら、機会を窺い、その時を待つまでは遊郭へ通う。
これは、赤穂義士の大石内蔵助(くらのすけ)も然りである。
また、それが美談のひとつになるのだから、おかしなものである。

この五郎時致(ときむね)の歌詞も、

「さるほどに 曽我五郎時致は
 倶不退転の 父の仇 討たんずものと
 たゆみなき 弥武心も 春雨に 濡れて
 郭の化粧坂(けわいざか)
 名うてと 聞きし 少将の (♪合方♪)
 雨の降る夜も 雪の日も 通い通いて 大磯や・・・・・・」

と、仇討ちの決意とは裏腹に、“勇んで”郭通いである。
「弥武心」も「春雨に濡れ」ると、郭へと足が向くらしい。
困ったものだ。

しかし、必ずしもそうとも言い切れないのは、この歌詞が掛詞(かけことば)によって綴られているということである。

◆「弥武心が張る」と「春雨」の【はる】
◆「濡れて来る」と「郭」の【くる】
◆「通いて多い」と「大磯」の【おおい】

掛詞が多用されるのは、長唄の特徴であり、江戸の粋なのである。
したがって、時には無理矢理なものも出てくるが、それによって夢のような場面展開も可能なのである。
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# by wagakkiya | 2005-04-11 04:13 | 三味線お稽古(31)


日本の楽器(2)~三味線~(コロムビア)





三味線入門CDの決定版!

三味線の合方(アイカタ:唄の付かない部分)をいいとこ取りした名盤です。

だんまり、大薩摩の江戸歌舞伎音楽から、秋色種(虫の合方)や勧進帳(寄せの合方・瀧流し)などの長唄の合方、義太夫、新内流し、地歌、津軽じょんがらなど、各界の大御所による名演奏・名曲が揃っています。

録音もよく、三味線演奏の聴き所たっぷりです。
最後の2曲はオーケストラが入って、エコーたっぷり、録音レベルも変わり、やや興ざめですが、これを除けば、入門者からプロまで納得のいく一枚でしょう。


アマゾン
にリンクします。

日本の楽器(2)~三味線~
日本の楽器 芳村伊十七 岡安喜久次郎 松永忠五郎 岡安喜久三郎 望月太八 堅田喜三久社中 杵屋五三郎(二世) 杵屋五三寿郎 杉浦弘和 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★★

長唄から大薩摩、新内、地歌、義太夫、津軽など日本の三味線の名曲を抜粋。入門CDとしては最高級。録音もシャープでいい。

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# by wagakkiya | 2005-04-09 18:58 | CDレビュー(7)

    

和楽器屋の職人仕事と邦楽・伝統芸能の魅力をわかりやすく熱く語ります!
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