皮張りを大まかに説明すると、まず湿した皮に木栓(きせん)をかまして、その木栓に楔(くさび)を打ち込み外れないように固定します。次に張り台(写真)に胴を載せ、経口に餅糊を塗り、皮を被せます。
木栓に張り緒(はりお;輪になった紐)をかけ、フックにかけ、ひとつずつボルトを回して皮を張っていきます。
(これは写真のようにボルトで締めていく新しい張り台の手法です。従来は、20mもある長い紐を周囲全体に回すようにかけていき、木製の張り台の二枚の板の間に長い楔を打ち込んで皮を張っていました。)
皮は厚さによって伸び具合が異なるため、ある程度引っ張ったら、音と弾力を確認しつつ引っ張っては止め、いい音に上がるまで調整していきます。
音も出て、ここでやめるとなると、糊を乾かすために一気に乾燥させます。コンロやストーブであぶるのが一般的ですが、これは上からドライヤーを当てるタイプです。糊の付いた経口だけを乾かせばよいので、中央の空洞部分に熱風が直接かからないよう当て蓋という木の蓋を載せます。乾燥は15~18分程度です。
この近代的でよく考えられた張り台を作って譲ってくださった金沢さんには、感謝しきりです。