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和楽器ことはじめ


色種~虫の合方聴き比べ


 いま、いろんなCDで「秋色種」、とくに「虫の合方」を聴き比べている。静かな部屋で耳を澄まして聴くと、サワリや余韻をはじめ、棹を引き擦る音や打つ音、それに合間のかけ声などがあって実に興味深い。
 それぞれに聴かせどころがあり。どれがいいか甲乙付けがたいところだが、いまのところおすすめは下記のCD。

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長唄全集(十三)五郎時致/蓬莢
芳村伊十郎(七代目) 長唄全集(13)五郎時致・蓬莱・秋色種/ コロムビア
(唄)芳村伊十郎 松島庄三郎
(三味線)山田抄太郎 上調子(推定):杵屋五三助
(笛)住田又兵衛
(小鼓)望月吉三郎 望月長左久
(大皷)望月左吉
(太鼓)堅田喜三久
(鳴物)望月太意之助 望月吉三久 望月吉二郎
(狂言方)竹柴宗輔
スコア選択: ★★★★★

上調子が寸分の乱れなくついてくるところは、全盛期の五三助か。主張しすぎず、それでいて、かけひきも素晴らしい。
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長唄
今藤長之 杵屋禄三 杵屋勝国 芳村伊十七 米川敏子 中川善雄 今藤尚之 竪田喜三久 望月長樹 望月太喜雄 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★

 新しい録音でややエコーが効きすぎだが、今藤長之の艶っぽい声に合わせ三味線も華やか。松の緑、秋の色種、岸の柳、吾妻八景の4曲を収録。三味線は4曲とも芳村伊十七、杵屋勝国のコンビ。

 特に「岸の柳」は独特で、ゆったり聴かせていて、後半、三下りから鼓がテンポを作り、力の入っためくるめく展開を見せる。

 「色種」の琴の手事の合方では、米川敏子の琴が入り、まさに「みだれ」の雰囲気。

 「八景」の砧の合方は「テツン」の入り方からお見事!でおすすめ。

日本コロムビア COCF-9791〔1992年録音〕

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長唄三味線
杵屋五三郎 杉浦弘和 杵屋五三寿郎 萩岡松韻 福原百之助 堅田喜三久 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★

合方集として編曲された逸品なのですが、「秋色種」の虫の合方が入っていないのが残念。

なぜ、虫の合方が飛ばされているのかは本当に信じられないが、まったく不明。前弾から、二上りに飛び、琴の合方へと編曲されている。
解説には「虫の合方」とあるのに、オカシイ!

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コロムビア邦楽 長唄
芳村伊十郎 宮田哲男 杵屋五三郎 山田抄太郎 福原百之助 今藤長之 望月太意之助 望月吉三久 望月吉三郎 杵屋弥三郎 / コロムビアミュージックエンタテインメント
スコア選択: ★★★★★

他の盤と録音は重なるが、申し分ない録音。

 松の緑、都鳥、蓬莱、秋色種の4曲。三味線(松の緑、色種)は、山田抄太郎と杵屋五三助のゴールデンコンビ。全曲にわたって聴かせどころたっぷりの一枚。

(注)芳村伊十郎長唄全集(13)と同じ録音。

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i-podからMDにダビングしてもらったので、音源は不明だが、
「秋の色種」
(唄)宮田哲男 (三味線)杵屋五三郎(もうひとり上調子は不明)もいい。
スコア選択: ★★★★★

 これは小さな部屋で、サシで録音しているっぽい。
五三郎氏の掛け声が控え目に入っているし、いかにも力が抜けて、軽やかにしっとりと弾いておられるので、うらやましい。
 ・・・・・・今はこの弾き方をマネしているところ。
by wagakkiya | 2005-05-05 23:27 | CDレビュー(7)

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