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和楽器ことはじめ


三味線~棹の膠付け

三味線~棹の膠付け_d0001411_20334345.jpg

               (下棹(左)と中子)

 三味線の棹は分解できるよう、上棹(かみざお)・中棹(なかざお)・下棹(したざお)と三つに分かれていてホゾで継いであります。

 また糸巻きが入っている天神と上棹、胴に差し込む中子(なかご)と下棹は、膠(にかわ)によって接着してあります。膠とは獣や魚(サメなど)の骨や皮などから採れる粘質物で、天然の接着剤です。棹だけでなく胴の四周の部材も膠で着けます。ただ最近は木工用ボンドも質が向上しているので、全部が膠というわけではありません。

 どうしても長年使っていると、接点は合わなくなってきます。特に、この胴と棹の取り合いは微妙なもので、まさに紙一重で狂いが生じます。中子が外れるのも、胴の振動が考えられます。そうなった場合、自分で補修せず、和楽器店に持ち込んでください。料金は2,000円以下です(おそらく)。

 膠は湯に溶いたあと、直接温めず、湯煎(ゆせん)をして温度を上げます。飴色になり、とろみが出てきたらOKです。これを手早く接着面に塗り、圧着させます。完全に固まるまで4,5時間はかかりますが、乾いて強度が出てからは、はがそうとしてもビクともしません。これが膠の利点です。
 接着は、まさに時間との戦いで、接着面を合わせてから、しばらく握って動かさないことが肝要です。はみ出た膠はあとから拭き取ります。
by wagakkiya | 2005-06-06 20:33 | 職人仕事(13)

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和楽器屋の職人仕事と邦楽・伝統芸能の魅力をわかりやすく熱く語ります!
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