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和楽器ことはじめ


歌詞~秋色種

『秋色種』(あきのいろくさ)

<本調子>・7 3 7 (B E B)
(前弾)

秋草の東(あづま)の野辺の忍ぶ草 偲ぶ昔や いにしえぶりに
住みつく里は夏苧(なつお)ひく 麻布の山の谷の戸に
朝夕向こう 月雪の 春告げ鳥の 跡分けて 
なまめく 萩が花ずりの 衣雁がね(ころもかりがね)
声を帆に上げて下ろして玉すだれ
端居(はしい)の軒の庭まがき うけら紫 葛尾花
共寝(ともね)の夜半(よわ)に荻の葉の 風は吹くとも露をだに
末路(すえじ)と契る女郎花(おみなえし)
その暁の手枕(たまくら)に 松虫の音ぞ

(虫の音の合方)

楽しき 変態 繽紛(ひんぷん)たり 
神(しん)なり また神なり神声(しんせい) 婉転(えんてん)す

(大薩摩 本手押重;おおざつま ほんておしがさね)

<二上り>・7 #4 7 (B F# B)
夢は巫山(ふざん)の雲の曲 雲の曙 
雨の夜にうつすや 袖の蘭奢待(らんじゃたい)
止めつうつしつ 睦言(むつごと)も いつかしじまの かねてより
言葉の真砂(まさご) 敷島の
道の行く手の友車(ともぐるま) 来ると明くとに通うらん
峰の松風 岩越す波に すががく琴のつま調べ

(琴手事の合方;ことてごとのあいかた)

<三下り>・7 3 6 (C# F# B)
うつし心に 花の春 月は秋かも 時鳥(ほととぎす) 雪に消えせぬ
楽しみは尽きせじ尽きぬ 千代八千代
常磐堅磐(ときわかきは)の松の色
いく十返り(とかえり)の花に謳わん
                         (演奏約20分)
※三下りの「月は秋かも」を「月の秋風」と唄う場合あり
# by wagakkiya | 2005-06-24 22:10 | 古典芸能音楽(2)


三味線~子持綾杉

三味線~子持綾杉_d0001411_8231249.jpg

 これが、(先日掲載したリンドウ付きの)津軽胴の内側拡大写真です。子持綾杉になっています。

 一段ずつ鑿(のみ)を当てて削っていきます。

美しい模様ですよね。
# by wagakkiya | 2005-06-21 08:23 | 職人仕事(13)


三下り

 「秋色種」(あきのいろくさ)のお稽古が、三下り(さんさがり)に入った。

 頭が切り替わらない・・・orz

 二上りはすぐに切り替わったのに、三下りはどうもいまいちである。

 本調子から三下りになっただけ、つまりシンプルに三の糸が一音下がったと考えればいいのに、理屈で考えるとダメである。本調子を二上りにしてから、一の糸を上げて、いわば「仮想・三下り」にしているので、一も二も変わっている錯覚を持ってしまっている。それがよけいに思考を惑わすみたいだ。

 解決策はもちろん、“習う(=頭で考える)より(音に)慣れろ”である。
# by wagakkiya | 2005-06-21 01:14 | 三味線お稽古(31)


三味線~樫の棹

三味線~樫の棹_d0001411_23583674.jpg

 先生が稽古用にお使いの三味線は、花梨にしては白っぽく、いかにも年季が入っていたので、「(棹の)木は何ですか?」と訊いたら、「樫」(かし)とのことだった。

 そう言えば、昔は樫の三味線もあったと聞いたことがある。

 三味線の棹は、堅いものがいいとされる。また目が詰まったものがいい。それは木が狂わないから。樫も堅い木だし(木偏に堅いだから、まさにそうですよね)、国産材である。おそらく白樫(しらかし)ですね。

 花梨(かりん)より紅木(こうき)がいいのもそのため。決して色ばかりではない。しかし、この二つはいずれも東南アジアなどの外材である。

 右に並んでいるのは長唄の紅木の三味線。糸巻も樫についているのが黒檀で、紅木のほうは象牙である。

   (追記)樫の三味線は、小唄が多いと父が言っていた。
        先生もお弟子さんにもらったものだとおっしゃっ
        ていたので、その可能性は高い。

        ただ樫は、三味線の棹にしては軟らかいのだ
        そうだ。漢字に惑わされてはいけない(反省)
# by wagakkiya | 2005-06-20 23:58 | 楽器&道具事典(11)


三味線~綾杉の胴

三味線~綾杉の胴_d0001411_23574552.jpg

 いい三味線の胴の内側は、綾杉(あやすぎ)と呼ばれるギザギザの彫り方がしてあり、反響効果が増す構造になっています。
 箏の甲の内側もそうですが、やはり音がよく響くようにこの細工が施してあります。

 綾杉のなかでも2種類あり、ギザギザの山が一重のものをたんに「綾杉」と呼び、寄り添った二重になっているものを「子持綾杉」(こもちあやすぎ)と呼びます。当然、子持綾杉のほうが細工が細かいので、より高い三味線に使われていることが多く、音の反響もそれだけ増えるということになります。

 よくコンサートホールでも、音が拡散し残響が長くなるように、ギザギザの形になっていますが、要はこれと同じことです。昔の人は少しでもよく響くよう、音響測定などがなかった時代でも職人の勘と感覚で、こんな見事な技術を会得していたんですね。


(ちなみに、この胴は、津軽の胴なので丸穴に「リンドウ」という金具が付いています。他の三味線には、この金具はありません)
# by wagakkiya | 2005-06-15 23:57 | 職人仕事(13)

    

和楽器屋の職人仕事と邦楽・伝統芸能の魅力をわかりやすく熱く語ります!
by wagakkiya
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